羽ばたけ加藤翼
帝京大可児高校からは初のプロ野球選手。2020年ドラフト5位の帝京大可児高校出身で今年2年目。
2020年の甲子園で行われた「プロ志望高校生合同練習会」で大きく名を挙げた加藤翼。
雨天で室内練習場に場所を移した為にスピードガンの計測こそありませんでしたが、そのストレートのキレは際立っていました。大阪桐蔭高校の主砲で高校通算30本塁打の西野力矢(JR西日本)に自慢のストレートをインハイとアウトローに決めて2つの空振り三振を奪い、5人の打者に対して、ヒット1本に抑え「自分の持ち味の回転数の多い真っ直ぐは出せた」と胸を張りました。
そして、同年代のオリックスドラフト1位、山下瞬平太に対抗意識を燃やす。
「真っ直ぐだけは誰にも負けない」
こんな加藤翼ですが、高校に入学した時は、プロへどうのこうのいうレベルではなく、普通の投手でした。球速は120キロ台、体重は50キロ台で建築士になるという夢があり、それに向って進学コースに進んでいました。
ユウキコーチの存在
それがドラフトにかかるまでになったのは、田中結貴コーチの存在がありました。
そう、オリックス、ヤクルトで活躍した「ユウキ」投手です。右腕で上から叩く意識を持たせ、逆の左手を高く上げるフォームをアドバイス。1年秋の私学大会で中京学院大中京相手にストレート1本で好投し、手応えを得ると、右腕をたてぶりにする感覚を身に付け、回転の良いボールが低めに行くようになりました。
「1年生の終わりに140キロを超えた時は、この球場のスピードガンがちょっと速く出るのか」という感覚になり、「2年生の秋には150キロを突破しました。」とは同校の田口監督。しかし、球が速くなったことで心配も出てきました。「凄いな、と言う事よりも、体が大丈夫かな?」と、「どこまで体が150キロの投球に耐えられるのだろう。」と過保護は駄目ですが、いいものを故障させてしまったら元もこうもありません。」
プロで肩の故障に苦しんだユウキコーチの思いでした。
高校時代の最後は153キロの快速球
コロナ禍の中で、3年生の練習は限られ、夏の岐阜県独自大会も故障のケアをしつつのぞみましたが、1試合目の2イニング目にマメがつぶれ、3回で降板。多くを投げれませんでしたが、それでも敗れた準々決勝で、最後のマウンドに登り153キロの快速球を投げ込みました。
プロ入り後の1年目の昨シーズンは体力不足と、コントロールに課題があり、2軍戦でも登板がありませんでした。そんな、加藤投手ですが、昨秋行われたフェニックスリーグでは150キロ超えのストレートを披露し、ポテンシャルの高さを見せつけました。
憧れの選手に元、阪神タイガースの藤川球児を挙げる。
少しづつ階段を駆け上がり、将来は藤川球児のように、自慢のストレートで強打者をキリキリ舞いさせて欲しいですね。